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クサガメ冬眠させない方法|獣医師推奨28℃・冬季電気代約4,530円まで全手順

爬虫類・両生類 ・ 公開: 2026/9/10 ・ 約14分で読めます

秋になると「今年はクサガメを冬眠させた方がいいのか、加温飼育にした方がいいのか」という問いが多くの飼い主に訪れます。初めての冬を迎える前に判断しておかないと、準備が間に合いません。

この記事の要点

  • 健康に不安のある個体・子ガメ・冬眠の知識に自信がない場合は、加温飼育を選ぶのが安全(S7推奨)
  • 冬眠失敗では3つの疾患(ビタミンB1欠乏・ビタミンA欠乏・膀胱結石)が同時発症した診療記録がある(S8)
  • 加温飼育の必要器具は水中ヒーター・UVBライト・バスキングライトの3点。獣医師推奨の水温は28℃(S1・S7)
  • 冬季5ヶ月(ヒーター55W+UVBライト26W・1日12時間・31円/kWh基準)の電気代は約4,530円(編集部算出)

健康に不安のあるカメと子ガメは冬眠させないで加温飼育を選ぶ

冬眠させるかどうかの判断は「今年の冬をどう過ごさせるか」という最初の分岐点です。加温飼育を選んでおく方が、初めての飼育では安全です。

クサガメ・イシガメ・アカミミガメは気候上は冬眠できるカメですが(S6)、冬眠は失敗すると死亡することもあるため、熟知していない場合は冬眠させない方が良いとされています(S7)。

冬眠させるべきでない個体の条件

条件根拠
夏〜秋にかけて十分に餌を食べていない冬眠させるのは十分に食べた健康なカメに限る(S6)
病気・体調不良がある健康体に限って冬眠を許可する判断基準から除外される(S6)
子ガメ・幼体体力が少なく冬眠失敗リスクが高い(S8:幼体カメの冬眠失敗事例あり)
冬眠の知識・経験が十分でない飼い主熟知していない場合は冬眠させない方が良い(S7)

上の条件が一つでも当てはまる場合は、加温飼育を選ぶことを勧めます。「飼育環境によっては冬眠をあえてさせない方が良い結果になることがある」(S8)という獣医師の見解も、この方向を支持しています。


冬眠に失敗すると3つの疾患が同時に発症した診療記録がある

冬眠のリスクは「眠れなかった」程度の問題ではありません。失敗したときの経過を動物病院の診療記録で確認しておくことが、判断の根拠になります。

キキ動物病院(大阪府堺市)の公式ページに掲載された幼体カメの冬眠失敗事例では、冬眠失敗が原因で飢餓状態・長期水分不足が生じ、3つの疾患が同時に発症したことが記録されています(S8)。

冬眠失敗のリスク比較表

比較項目冬眠させる場合加温飼育の場合
冬眠失敗時の主なリスク飢餓・水分不足による衰弱、死亡(S7・S8)器具の故障時に水温が下がるリスクあり(対策:予備ヒーター)
幼体・子ガメ特にリスク高。体力が少ない(S8)通常の飼育管理を継続できる
冬眠失敗の診断事例(S8)ビタミンB1欠乏(左前肢跛行)・ビタミンA欠乏(視野狭窄)・膀胱結石(頻呼吸・嘔吐)の3疾患同時発症該当なし
知識・経験が少ない飼い主熟知していない場合は避けることを推奨(S7)器具の使い方を習得すれば対応可能

この診療記録は、上位ウェブ記事の多くが取り上げていない一次情報(動物病院公式ページ・S8)です。3疾患の同時発症という経緯は、冬眠失敗が単一の問題ではなく連鎖的な衰弱につながることを示しています。


加温飼育には水中ヒーター・UVBライト・バスキングライトの3点が必要になる

加温飼育に必要な器具を把握しておくと、準備に迷いがなくなります。3点それぞれの役割と選び方を整理します。

水中ヒーター・UVBライト・バスキングライトの3点が揃って、はじめてクサガメが冬を健康に過ごせる環境が整います。

保温器具3点の選び方早見表

器具役割選ぶ際の目安製品例
水中ヒーター水温を適正範囲に維持する水容量に合ったW数を選ぶGEX カメ元気 オートヒーター55(水容量18L以下対応・55W・制御温度28℃固定・S1)
UVBライトビタミンD3合成を促し、代謝性骨疾患(MBD)を予防する(S2)水槽サイズに合ったW数を選ぶGEX エキゾテラ レプタイルUVB100 26W PT2187(S4)または 13W PT2186(S5)
バスキングライト陸場を温め体温調節(バスキング)できる環境をつくる陸場が29〜32℃になる出力(S7)※消費電力等のスペックはRS未取得のため製品例は省略。メーカー各社のカメ用バスキングライトを参照

水中ヒーターについて

GEX カメ元気 オートヒーター55は、獣医師が推奨するカメに最適な水温28℃を自動制御する製品です(S1)。適合水容量は約18L以下(S1)で、測定精度は±1.5℃(S1)です。水槽が18Lを超える場合は適合製品を別途確認してください。

UVBライトについて

UVBは皮膚内の「7-デヒドロコレステロール」と反応してビタミンD3の前駆体を生成し、最終的にカルシウム代謝を調整します(S2)。UVBが不足すると、カメは急速に代謝性骨疾患(MBD)を発症することがあります(S2)。症状は骨密度低下・腫れ・倦怠感・虚弱・けいれんなどです(S2)。

重要: 太陽光が水槽のガラス越しやプラスチック越しでは、カメに必要な紫外線のほとんどが遮られてしまいます(S7)。UVBライトは室内の水槽で必須です。

GEX エキゾテラ レプタイルUVB100(26W・S4)の定格寿命は約4,000時間(S4)で、1年を目安に交換することが推奨されています(S4)。球が光っていてもUVBの照射量は低下していくため、定期的な交換が必要です。

自然界ではカメは日光浴でUVBを浴びてビタミンD3を合成し骨格を形成しています(S3)。室内飼育ではUVBライトがこの役割を担います。


水温は獣医師推奨の24〜29℃・陸場は29〜32℃・UVBは秋冬10〜12時間が管理の基準になる

数値の基準を知っておくと、日常の温度確認が判断しやすくなります。まなび野動物病院(S7)が公表している飼育指標をもとに整理します。

水温・陸場温度・ライト照射時間の3つをセットで管理することが、加温飼育の基本です。

温度・照射時間の管理基準

管理項目推奨値条件・備考出典
水温(成長期)27〜29℃ミシシッピーアカミミガメ成長期の理想水温S7
水温(成体)24〜29℃ミシシッピーアカミミガメ成体の理想水温S7
陸場気温(バスキング時)29〜32℃ライト照射時の陸場の理想気温S7
ライト照射時間(秋・冬)10〜12時間/日秋・冬の照射時間の目安S7
ライト照射時間(春・夏)12〜14時間/日春・夏の照射時間の目安S7

GEX カメ元気 オートヒーター55の制御温度は28℃固定(S1)で、獣医師が推奨するカメに最適な水温として同社製品ページに明記されています(S1)。この28℃は成長期(27〜29℃・S7)・成体(24〜29℃・S7)いずれの推奨範囲にも収まります。

GEX エキゾテラ レプタイルUVB100(26W・S4)の推奨照射時間は1日8〜12時間(S4)です。秋・冬のライト照射時間の獣医師指標10〜12時間(S7)と合わせると、秋冬は10〜12時間を目安にするとよいでしょう。

なお、リクガメ向けの資料では1日12時間のUVB照射が推奨されています(S3)。クサガメ(水棲ガメ)への直接適用には条件に注意が必要です。


冬季5ヶ月の加温にかかる電気代はヒーター55W+UVB 26Wで約4,530円と試算できる

加温飼育を続けるとどのくらいの電気代がかかるのかが気になる飼い主は多いです。公表されているスペック値と電力料金の目安単価から試算できます。

以下の試算は、全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が令和4年(2022年)7月22日に改定した電力料金目安単価31円/kWh(税込・S9)を基準としています。

加温飼育 冬季電気代確定試算表(編集部算出)

対象機器: GEX カメ元気 オートヒーター55(55W・S1)+ GEX エキゾテラ レプタイルUVB100(26W・S4)

期間稼働時間試算金額(編集部算出)
1日ヒーター12時間/日+UVB 12時間/日約20.5円(ヒーター・F35)+約9.7円(UVB・F36)/日
1ヶ月(30日)同上×30約906円/月(F37)
冬季5ヶ月(11〜3月)同上×5約4,530円/冬季(F38)

算出根拠(編集部算出):

  • ヒーター(55W・S1)1日分: 55W÷1000×12時間×31円/kWh≒約20.5円(F35)
  • UVB(26W・S4)1日分: 26W÷1000×12時間×31円/kWh≒約9.7円(F36)
  • 月額(30日): (約20.5円+約9.7円)×30日≒約906円(F37)
  • 冬季5ヶ月: 約906円×5ヶ月≒約4,530円(F38)

注意事項:

  • ヒーターはサーモスタット動作により間欠稼働するため、実際の電気代は試算より低くなることがあります。上表のヒーター分は最大値として参照してください
  • バスキングライト・フィルター・エアポンプなどの電気代は別途かかります
  • 電力会社の契約プランや使用月数(地域・年)によって変わります
  • 電力料金目安単価31円/kWhは令和4年(2022年)7月22日改定値です(S9)

ヒーターなし室内飼育は水温が活動限界(25℃)を下回らない環境を確保できる場合に限られる

ヒーターを使わずに冬眠させない選択肢もありますが、条件があります。

カメが活動できる水温の下限は25℃とされています(S10)。ヒーターなしで加温飼育を成立させるには、室内の水温が25℃を下回らないことが前提条件になります。

ヒーターなし飼育の条件と限界

判断の観点内容
活動できる水温の下限25℃(S10)
冬眠に入り始める水温25℃未満から活動が低下し始める目安(S10参照)
水温が25℃を下回らない室内環境一年を通じて室内が常時25℃以上に保たれる住環境であれば成立しうる
現実的な判断日本の多くの地域では冬季に室内でも水温25℃を維持するのは困難。ヒーターの使用が原則

水温が25℃を下回ってしまった場合の応急対処として、25〜32℃のお湯の中で温める方法があります(S10)。ただしこれは緊急対応であり、平常管理の代替にはなりません。

加温が原則である理由は、冬眠失敗のリスク(H2-2)と、25℃以下では活動できないという水温の下限(F33・S10)が組み合わさっているためです。ヒーターなし飼育を検討する場合は、室内の通年水温を実測したうえで判断してください。


普段と違う様子が続くときは早めに動物病院に相談する

器具と温度管理が適切であれば多くの病気・事故を予防できます(S7)。それでも体調変化が見られた場合は早期対応が重要です。

普段と違うことが観察されたら、早めに動物病院で診てもらうことが推奨されています(S7)。

気になるサインと受診の目安

気になるサイン考えられる原因対応
食欲がない・餌を食べない水温低下・消化器トラブル・病気水温を確認し、改善しなければ受診
甲羅が変形している・柔らかいUVB不足→ビタミンD3不足→MBD(S2)UVBライトの照射時間・設置状況を確認。受診を検討
動きが鈍い・ぐったりしている水温が低すぎる・病気水温を確認。改善しなければ早めに受診
目が開かない・視野が狭そうビタミンA欠乏の可能性(S8)速やかに受診
頻繁に呼吸する・嘔吐する膀胱結石等の可能性(S8)速やかに受診

UVB不足は見た目ではわかりにくく、代謝性骨疾患(MBD)として症状が出たときには骨密度の低下が進んでいることがあります(S2)。ライトの交換目安(1年・S4)を守ることが予防の基本です。

クサガメの甲羅が白い原因と対処法では甲羅の異常(乾燥・脱皮・水カビ)の見分け方と受診判断をまとめています。甲羅に気になる変化があった場合は合わせて確認してください。

餌と飼育環境が適切であれば、多くの病気・事故は予防できます(S7)。加温飼育で環境を整えることが、カメの健康管理の基本になります。


よくある質問

Q1. クサガメを冬眠させないと寿命が縮みますか?

冬眠させないこと自体が寿命を縮めるという一次情報(動物病院・公的機関の公式データ)は、本記事作成時点の調査では確認できていません。むしろ、冬眠は失敗すると死亡することもあるため(S7)、熟知していない場合は冬眠させない方が良いとされています。飼育環境によっては冬眠をあえてさせない方が良い結果になることがあるという獣医師の見解(S8)もあります。寿命への影響については、かかりつけの動物病院に相談することをお勧めします。

Q2. ヒーターなしで冬眠させない場合、水温は何℃以上を保てばよいですか?

カメが活動できる水温の下限は25℃とされています(S10)。ヒーターを使わない場合は、室内の水温を25℃以上に維持できるかどうかが判断の基準になります。冬季に室内で25℃を維持できない環境では、水中ヒーターの使用が実質的に必要です。GEX カメ元気 オートヒーター55は28℃に自動制御し(S1)、獣医師が推奨するカメに最適な水温として同社が推奨しています(S1)。

Q3. 水中ヒーターは一日中つけっぱなしにしていいですか?

水中ヒーターはサーモスタット機能を内蔵した製品(GEX カメ元気 オートヒーター55など)であれば、常時電源を入れておく設計になっています。設定水温(28℃・S1)に達すると自動でOFFになり、下がると再びONになります。常時接続が前提の製品設計のため、日中だけON/OFFにする必要はありません。ただし、コードや接続部の定期的な確認は安全のために必要です。

Q4. 紫外線ライトはどのくらいの時間当てればいいですか?

秋・冬のライト照射時間は1日10〜12時間が目安です(S7・まなび野動物病院)。GEX エキゾテラ レプタイルUVB100(26W)の推奨照射時間は1日8〜12時間(S4)です。両方の数値を合わせると、秋冬は10〜12時間を基準にするとよいでしょう。また、ランプは1年を目安に交換することが推奨されており(S4)、光っていてもUVBの照射量は経年で低下します。

Q5. 子ガメは冬眠させない方がいいと聞きましたが本当ですか?

はい、子ガメ(幼体)は体力が少なく冬眠失敗のリスクが高いため、加温飼育を選ぶことが推奨されています。キキ動物病院(S8)の診療記録でも幼体カメの冬眠失敗事例が記録されており、飢餓・水分不足からビタミンB1欠乏・ビタミンA欠乏・膀胱結石の3疾患が同時発症しています。冬眠させるのは夏から秋にかけて十分に餌を食べた健康なカメに限るとされており(S6)、子ガメはこの条件を満たしにくいです。

Q6. 冬眠から途中で目を覚ましてしまったらどうすればいいですか?

冬眠中に途中で目覚めた場合は、まず水温を確認してください。水温が25℃未満になっている場合は、25〜32℃のお湯で温める応急対処があります(S10)。加温後に餌を食べ、普通に動いているようであれば、ヒーターを設置して加温飼育に切り替えることを検討してください。目覚めた後に食欲がない・動きがおかしいなど普段と違う様子があれば、早めに動物病院で診てもらいましょう(S7)。

Q7. ハリネズミやシマリスの冬眠対策とどう違いますか?

クサガメ(水棲ガメ)の冬眠対策は水温管理が中心で、水中ヒーターによる自動制御が基本です。一方、ハリネズミ冬眠の危険性シマリス冬眠準備方法とは動物の体の仕組みが異なり、必要な器具・管理方法も種ごとに異なります。カメは変温動物であるため、飼育水温が直接体温に影響するという点が最大の違いです。各種ごとに専用の器具と管理方法を確認することが重要です。